毎日”心”を洗いましょう
悪性の風邪が流行しているため、テレビや新聞では「手を洗いましょう。うがいをしましょう」と毎日のように呼びかけています。
勿論、生活の習慣・マナーとして何度も手を洗います。トイレに行った時も、外出先から自宅に戻った時もです。
それと同時に毎日、ここも丹念に洗わねばならぬと感じます。何故でしょうか?実は私たちの心というものは、放っておくと汚れてしまうものだからです。
手を洗うのは、石鹸をつけて水道の蛇口から出る水でジャブジャブとやれば良いのですから簡単です。
では、“心を洗う”方法とは何でしょう?
それは、仏壇の前に座り、両掌を合わせて静かに祈ることです。
私たちはみんな凡人ですから、大小を問わず様々な失敗をします。それが毎日のように続きます。別に恥ずかしがる必要はありません。人間は元来、そういう生き物なのです。
仏壇の本尊様に向えば、間もなく素直な気持ちに立ち戻ることも可能です。どんなに愚かな短気な人間でも、本尊様へ喧嘩を吹っ掛ける人はおりません。人間は誰でも仏心という穏やかで、正しい心をもっています。
その仏心に気づけば、口に出さなくても「あぁ、失敗だったな」と気が付くものです。「私が間違っていたかも知れません」と無言で本尊様と会話すれば良いのです。
この無言の対話は信仰の世界ではとても大切だと思います。この仏壇の前での合掌と、無言の対話を「心を洗う営み」というのです。
仏壇のないご家庭でしたら、貴方の好きな仏像か仏画をお部屋の片隅に祀って下さい。
心は毎日汚れます。だからこそ心は毎日洗わなければなりません。