HOME > 法話 > 大切なことを短くわかり易く

大切なことを短くわかり易く(2017/5/11)

 
 
 

 
 
 
 人間は誰でも失敗を嫌い、成功を好みます。
 
 しかし、現実の世界では失敗をしない人物など一人もいません。それどころか、失敗の繰り返しによって一つを学び、一歩だけ進歩するのではないでしょうか?
 
 これは頭の良い、悪いの問題ではないのです。要するに、人間は自分で思っている程利口ではないということです。人間の本質は愚かなのです!イヤ私がそう言うのではなく、2500年も以前にお釈迦さまがそうお述べになっておられます。
 
 “もし愚か者が自ら愚かであると考えるなら、賢き人である。愚か者でありながら自分は賢き人と思う者こそ「愚か者」といわれる。”
 
 この言葉は「法句経(ほっくきょう)」という御経の一節です。
 
 お釈迦さまは35歳の時に悟りをひらいて説法を始められます。当初の説法は論理的であり、深遠な哲学であり、難しい内容です。しかし、晩年に至っての説法は、短くわかり易い言葉で綴られております。今、世界中に広まっている仏教の大半は、この簡潔な教えが中心になっています。
 
 考えて見れば私たちの社会も、若い年代の人よりも高齢者の言葉の方がポイントを掴んでわかり易く心に響く言葉が多いようです。
これは一種の引き算の思想であって、余計なことは言わない、大切なことだけを短く表現する習性が備わってくるからでないでしょうか?
 
 言論の自由、表現の自由の時代ですが、大切なことを簡潔に表現することも暮らしやすい社会にする条件の一つだと思います。