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切なる願いが行きつくところ(2017/4/21)

 
 
 

 
 
 4月20日より五日間、当山の準提観音さまのご開帳です。大勢の信者さんの方のご参詣で観音堂の中はいつも賑わいます。ご参詣の方々へは、お茶を勧め、お弁当とお札を差し上げています。信仰と共に、ふれあいの喜びに倍増されていると思います。 
 
 当山の準提観音さま尊像の建立と入仏開眼がいつなのかは、はっきりした記憶がありません。ただし、江戸時代初期の頃かと推測されます。
 
 準提観音さまの準提(じゅんてい)とは、古いインド語の「チュンテイ」に由来し、「慈悲の心」を意味します。古来より、坐禅を専らとする修行者や、禅寺の信者さんを護る菩薩さまとして信仰されてきました。当山は開山以来、禅の道場として盛んでしたから、準提観音さまとお祀りしたのも納得できます。
 
 観音さまのご信仰は、日本国中いつの時代でも広く信仰されています。なぜ人々は、観音さまに祈りを捧げたのでしょうか?
 
 観音さまの正式な名称は「観世音菩薩」です。「観音さまに救いを求める人々の声に注意深く、耳をすます慈悲深い仏さま」という意味です。
 
 この世の中は、さまざまな悩みと苦しみに満ち溢れています。どんなに努力をしても、自分の力でも他の人の助けでも、どうにもならぬ境遇の時、思わず掌を合わせて「観音さま助けて下さい」と祈るのが人間の姿です。
 
 人間の力には限界があります。家族や信頼する人の愛情だって万能ではありません。切なる願いが行きつくところは「祈り」なのです。心から祈ることの出来る信仰を持っている人にこそ思わぬ力が授けられるのです。