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般若心経のお話し(2017/9/11)

 
 
 

 
 
 
 
 前回に引き続き、『般若心経』のお話をします。
 
 『般若心経』の教えの中に「空(くう)」があります。空(そら)という字です。
 
 『空』に対する言葉は『色(しき)』、色(いろ)という字です。
 人間の感覚と認識は、眼耳鼻舌身意といって、眼で見る、耳で聞く、鼻でにおいをかぐ、舌で味わう、肌で触れて確かめる、それらを意識して存在を確かめ、心にやきつける…。
 それが色の世界です。
 
 では、空の世界とは何でしょうか?
 
 それは、人間の感覚や認識に関係なく、大きな視野から見た絶対の世界です。
 
 人間は、自分が知っていることと、自分の考えがマッチすることを真実だとする習性があります。
 ナルホドそうかもしれません。自分の考えに合わないことを「それが真実だ!」などという人は一人もおりません。
 それぞれが、独自の人生観をもって、色々なことを主張しますから、当然議論し、ついには争いも生ずる訳です。
 
 要するに「我(エゴ)の世界」です。
 
 『般若心経』の教えは我(エゴ)を捨てて、真実を見つめなさいということです。
 
 我(エゴ)を捨て、空の世界から世の中を観ると、色々なことがわかってきます。
 そして、世界は人間のためや、自分のために存在するのではないと悟ると新しい世界が拓(ひら)けてきます。
 
 「世の中は、自分のために存在するのではないのだから、思うようにいかなくて当然」とか、「他人(ひと)と争うことは、つまらぬことだ」と考えたりするのです。
 
 
 空の世界のすべてを悟ることは不可能です。『般若心経』を読経することに徹しましょう。