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あんな人間には成りたくないものだ(2017/6/21)

 
 
 

 
 
 
 
 相田みつをの詩にこんな一編があります。
 
 
「セトモノとセトモノを
 ぶつかりっこするとすぐこわれちゃう
 どちらかがやわらかければだいじょうぶ
 やわらかいこころを持ちましょう」
 
 
 この世の中には、乱暴な言葉、底意地の悪い言葉、無責任な批評など心にグサリと突き刺さるような言葉を口にする人間は沢山います。かといってその人の口を閉ざすことも不可能です。或いは、過敏に反応していたのでは年中他人と喧嘩口論を繰り返すことになるでしょう。そして、自分自身の心まで傷ついてしまいます。相田みつをの詩の通りです。
 
 大本山総持寺に大光晃仙禅師さまという方がおられました。お若い頃は、北海道の寺院住職でした。
 或る日のこと、そのお寺へ一人の厄介な僧侶がやって来て、或ることに就いて悪口雑言を並べ立て、非難しました。若き日の大道禅師は、一言も弁解もせず、反論もなしで黙然としておられました。その僧侶が帰ると、お付きの方が、「なんであんな奴に言いたい放題のことを言わせておくのですか!」と詰めよると、大道禅師は無言で自分でお茶を入れ、一口飲んだ後にポツリとこう述べられたと言います。
 
「人間はね、皆死んでしまうんだからね・・・」
 
 これは立派な悟りの言葉です。凡人には中々こうはいかないと思われます。
 
 しかし、せめてすぐに言い返しをしない方が賢明です。後日、然るべき時と場合で静かにご自分の意見を述べるのが良いのです。そしてこう考えてください。
 
 世の中には色々な人がいるものだ!せめて自分だけではあんな人間には成りたくないものだ。